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胃疾患

◆ 胃癌

胃癌死亡率がなぜ減ったか

戦後、日本人の胃癌死亡率が大きく減少しました。その最大の理由は検診が盛んにおこなわれ、内視鏡等の進歩により早期発見されるようになったためです。
胃癌は無症状のまま進行癌で発見される場合も少なくなく、積極的に胃の検診を受けることや軽微な症状でも検査を受けることが大切です。
早期胃癌では肉眼的に完全に切除できた場合ほとんど治りますが、癌が進行するにつれて治療成績はどんどん悪くなります。
早い時期に癌が見つかればおなかを切らないで胃カメラで治療することも出来る場合があります。また腹腔鏡下または開腹下に胃のごく一部だけを切除する方法で治療できることもあります。



癌になることは残念なことですが、早い時期に発見されることは幸せなことです。
当院では時代の水準に見合った胃癌の検診から治療(手術、内視鏡的治療)までの医療を提供しています。


◆ ピロリ菌

胃炎・胃潰瘍・胃がんの原因である「ピロリ菌」の治療

オーストラリアの二人の先生、内科医のマーシャル教授と病理学者のウォレン教授が、昨年12月、2005年の「ノーベル医学生理学賞」を受賞されたこと、ご存知ですか?

今から24年前の1983年、二人は細菌は絶対住めないと言われてきた強酸性の胃にピロリ菌が住着いて、しかも胃炎や再発を繰り返す胃潰瘍の原因であることを初めて明らかにしました。このピロリ菌を除菌すると、(1)潰瘍が抗潰瘍薬をのまなくても再発しないこと、(2)組織学的胃炎が改善することが明らかにされました。その後の研究で、このピロリ菌が日本人に多い「胃がん」の原因でもあり、除菌治療をすればそれを予防出来ることを、日本の研究者が中心となって解明したことが大きな支援となって、二人の先生がノーベル賞に輝いたと言われています。


わが国では、胃・十二指腸潰瘍に限ってピロリ菌の診断と除菌治療が認められてます。抗生物質2剤(アモキシシリン、クラリスロマイシン)に、最も強力な胃酸分泌抑制作用を有する抗潰瘍剤であるプロトンポンプ阻害剤(PPI)を組み合わせて1週間服用する「3剤療法」が標準となって、世界中で用いられています。

早期胃癌で内視鏡的切除を受けた患者さんや、胃がんの手術を受けて胃の一部が残っている患者さんでは、現在まだ保険診療が認められていませんが、ピロリ菌の除菌治療が望ましいと言われています。ピロリ菌の診断と治療にかかる費用は、保険治療と自費治療で異なりますので、担当の医師、または受付で気軽にご相談下さい。