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食道疾患

◆ 食道裂孔ヘルニアとは

食道と胃は横隔膜の位置で区切られています。
しかし、胃の上部がこの位置より上にある状態を「食道裂孔ヘルニア」といいます。

この状態の患者さんは、胃酸の逆流をおこしやすい状況にあります。
「食道裂孔ヘルニア」の患者さんに逆流性食道炎をおこしている人が多いことがわかっています。
X線検査でも調べることができます。


◆ 食道裂孔ヘルニア・逆流性食道炎の原因は

下の絵のように胃を押し上げること(腹圧の増加)が主な原因になっていると考えられます。

1.加齢にともなう姿勢の変化
前かがみ姿勢になることで腹圧が増加します。
また、食道をとりまく筋肉の働きが弱まってくることも原因の1つです。
2.肥満
体に脂肪がつくことで腹圧が増加します。
3.妊娠
おなかの赤ちゃんが腹圧を増加させます。

◆ 「胸焼け」の話

胸焼けは、本来は胃の中にある胃酸が食道に逆流し、酸に弱い食道粘膜が傷つけられて生じます。
このような病態を有する人は「胃食道逆流症」と呼ばれます。


何故、胃酸が食道に逆流するのか?

食道と胃の境界部には、胃酸の逆流を防止する下部噴門括約筋という関門があります。何らかの原因でこれが緩むと逆流が起こります。


胃酸の逆流は予防出来るのか?

まず胃酸の逆流を引き起こすような食物の摂取を控えることが大切です。とくに脂肪の大量摂取は下部食道括約筋を緩め、胃酸の逆流を生じさせます。柑橘(かんきつ)類、香辛料、チョコレート、アルコール類なども胸焼け誘発食品とされています。
喫煙も胃酸逆流を誘発すると言われています。
衣類やコルセットによる腹部の締め付けや高度の肥満は腹圧を上昇させ、胃酸の逆流を招きかねません。


胃食道逆流症はどのように診断されるのか?

内視鏡検査で、食道粘膜の発赤、むくみ、ただれ、出血、腫瘍などの所見を確認することにより診断されます。
内視鏡検査で明らかな異常がない場合でも、24時間pHモニタリングという検査で胃酸の逆流をみとめれば診断されます。


胃食道逆流症はどのように治療されるのか?

生活指導と併せて、消化管運動機能改善剤や酸分泌抑制などの薬物療法が行われます。胸焼けでお悩みの方は、お気軽に主治医または外来看護師にご相談下さい。